猫よ、君も見たか。

〜ニシガヤゲンイチ、かく語りき〜
<< ただいま帰省中につき。 | main | 花の香。 >>
くすんだ月夜。



外に出たら白い月が出ていた。

夜が明けるまでにはまだ小一時間はあるだろうか。

真夜中ではないが朝でもない。

人の気配も無けりゃ、車さえ全く通らない。

身の置き場のないそんな半端な時間帯。

吐く息は白く、さっきから鼻の奥がツンとして痛い。

 

「駅まで走ろうか」

 

何も考えずに走ることにした。

走っている間はあなたの事など考えないことにした。

走っている間は頭の中で音楽を鳴らさないことにした。

走っている間はあなたの事なんて考えないことにした。

走っている間は何も口ずさまないことにした。

走っている間はあなたの事すら考えないことにした。

走っている間は思いを馳せないことにした。

走っている間は走っていることすら考えないことにした。

 

「どこに向かっていたんだっけ?」

 

ふと顔を上げると、

白い月は真正面に移動していた。

月に向かって走る。

すると月は次第に大きく大きく膨らんでいくようで、

ついには月に飲み込まれてしまうんじゃないかという錯覚。

ぼくは走るのをやめてしまった。

静かなこの路地にぼくの乱れた呼吸が響き渡った。

 

そうだあなたに会いに行こう。

決めた。

月が出ているうちに会いに行くんだ。

決めた。

それでぼくは白い月に向かって再び走り出したんだ

 

 

| 西ヶ谷源市/ニシガヤゲンイチ | 日々云々 | 20:52 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
スポンサーサイト
| スポンサードリンク | - | 20:52 | - | - | pookmark |









http://nishi-gen.jugem.jp/trackback/1632
 123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
282930    
<< April 2019 >>
+ SPONSORED LINKS
+ SELECTED ENTRIES
+ RECENT COMMENTS
+ CATEGORIES
+ ARCHIVES
+ てくてくなみすけ
+ 天気予報
+ MOBILE
qrcode
+ LINKS
+ PROFILE