2013.07.29 Monday
或る雨の日に。
雨が降ってきた。
バスは来ない。
辛抱だ。
ぼくしか居ない停留所。
時刻表の灯りがやたらと眩しい。
軽トラックがぼくの前を飛沫をあげて通り過ぎた。
バスだけは来そうにない。
道路の向こう側、
反対方面行きのバスの停留所。
目を凝らし良く見るとあちらも一人バスを待つ男。
ぼくと同じように楽器を背負いビニル傘を差してる。
左肩には楽譜やら録音機でも入っているんだろうか、
大きなカバンを掛けている。
全てがぼくと同じ!
雨は次第に強くなってきた。
バスは相変わらず来ない。
あちらのバス待ち男は微動だにしない。
ずっとそのままの姿勢で佇んでいる。