2017.11.28 Tuesday
そうだよこういうのがすきなんだよ
空はこんなにも青いけれど風は冷たく頬を切る。
ただひたすらに歩いてみようと思った。
ただひたすらに歩いてみようと思った。
ただひたすらに歩いてみようと思った、のだろうか。
行くあてなどないが目的地は決めない。
だから良い。
ヘッドフォンもイヤホンもしない。
ましてや地図など無い。
大通りは車の排気音と何処か遠くから聴こえるサイレンの音ばかり。
ふと人の声が聞きたくなったが、誰もいやしない。
天気が良いからという理由だけで外に出ようとは思わないのが人間さ。
どこかでにゃあと鳴いた。
確かに鳴いた。
振り返れども、猫一匹見当たらない。
確かに鳴いたのだ。
寒くはないが暑いわけでもない。
腹は減っていないがグゥとなったような気がした。
実は減っていないと思っているだけでカラダは食を欲しているのだろうか。
昨日出会った人の顔を思い出してみる。
ぼくにしては珍しく話が弾んだのだから笑っちゃうよね。
しかし話した内容は憶えているのに顔だけがどうしても思い出せない。
今もしこの人と擦れ違ったらきっと素通りしてしまうんじゃないかな。
まいったね。
人にあげたレコードの感想が今更来たんだ。
良ク解ラナカッタ、そうだ。
コウイウノガ好キナンデスカ?
そうだよぼくはねこういうのが好きなんだよ、とても。
歩けば歩くほど、
頭の中が整頓されていくのがわかる。
だから歩く歩く。
誰にも邪魔されずに加速していく。
次第に良い音と悪い音の区別がつくようになってくる。
すると嫌なヤツが不思議と離れていく。
そして好きなヤツが不思議とよって来る。
あなたの手のぬくもりが恋しくなる。
晴れていようが雨だろうが気にならなくなる。
あなたの匂いが愛おしくなる。
どこかでにゃあと鳴いた。
今度こそ確かに鳴いた。
これは空耳なんかぢゃない。
ほらみろ!